前橋地方裁判所 昭和58年(わ)56号 判決 1983年7月22日
裁判所書記官
高木龍夫
本籍
群馬県佐波郡境町大字島村三四五八番地
住居
同県伊勢崎市長沼町字大割二七七七番地の三
会社役員
国分保
昭和三年一二月二五日生
(出席検察官)
金田泰洋
主文
被告人を懲役一年及び罰金二四〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を留置する。
この裁判の確定した日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、群馬県伊勢崎市長沼町字大割二七七八番地の一等において国分商店の名称で砕石砂利販売等の事業を営んでいたものであるが、所得税を免れようと企て、
第一 昭和五四年分における実際総所得金額が一億五五四四万八七六四円であるのに、昭和五五年三月八日、伊勢崎市鹿島町五六二番地の一伊勢崎税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一〇〇七万七九三八円で、これに対する所得税額が二二〇万四〇〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により昭和五四年分の正規の所得税額一億一五一万一四〇〇円と右申告税額との差額九九三〇万七四〇〇円を免れ
第二 昭和五五年分における実際所得金額が七五〇一万三六九七円であるのに、昭和五六年三月一二日、右伊勢崎税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一二三二万八八八〇円で、これに対する所得税額が二九五万四一〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により昭和五五年分の正規の所得税額四一〇二万二〇〇円と右申告税額との差額三八〇六万六一〇〇円を免れ
第三 昭和五六年分における実際総所得金額が六一七八万二七五六円であるのに、昭和五七年三月一五日、右税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一七八三万一八〇二円で、これに対する所得税額が五七六万九一〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により昭和五六年分の正規の所得税額三一六八万九〇〇円と右申告税額との差額二五九一万一八〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
全事実
一 被告人の当公判廷における供述
一 被告人の検察官(58・2・17、〃・〃・28)及び大蔵事務官(質問てん末書と題する書面)に対する各供述調書
一 被告人作成の各答申書及び上申書
一 大蔵事務官作成のB/S P/L説明書
一 滝田礼子の検察官に対する供述調書
一 国分八十美、滝田礼子、国分輝男、沼崎清子、中村憲一(二通)、主代幸男、飯塚治男、岸秀男、松本亮輔、紫藤政一、国分重男、宮本芳雄、飯島栄子の大蔵事務官に対する質問てん末書と題する各供述調書
一 証明書(確定申告にかかるもの-含添付申告書写等)
一 〃 (修正申告について-含添付修正申告書写)
一 写真撮影報告書四通
一 電話聴取書
第一事実
一 大蔵事務官作成の修正貸借対照表及び修正損益計算書(昭和五四年分)
第二第三事実
一 被告人の検察官(58・2・21)に対する供述調書
第二事実
一 大蔵事務官作成の修正貸借対照表及び修正損益計算書(昭和五五年分)
第三事実
一 〃 (昭和五六年分)
(適用条文)
1 判示第一、第二 昭和五六年法律第五四号による改正前の所得税法二三八条一項、二項
〃第三 右改正法二三八条一項、二項
2 併合罪処理 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条
(懲役刑については重い第三の罪の刑に加重)
3 労役場留置 同法一八条
4 執行猶予 同法二五条一項
(裁判官 島田周平)